読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

「「保育園を増やせ」はなぜ間違いか?〜政治がなすべき『保育産業革命』〜」(講師:フローレンス代表理事、駒崎弘樹氏)の文字おこし その2

の続き


で、その話をですね今日はさせていただきたいなと思うんですが、この待機児童問題をいかに解決すべきか、という問題を考えるときにですね、今国がとろうとしているアプローチはこれです、認可保育園をたくさん作っていこうね、という様なアプローチなんですね。これはですね、悪くないんですけども(音飛び)私は思っております(音飛び)方向性として私が提唱したいのが、この家庭的保育市場を作っていきましょうよということですね。


ここで認可保育園は公費コストが高いということについての話が進んでいるが、音飛びが激しくて聞き取れない。
配布資料参照のこと


また、さらにですね、東京は土地がございません、なかなかそういう所で広い園庭があって、大きなパシフィティがあって、というものを組み込んでいくというのはとてもとても難しいわけですね。ですから、ちょっともう中心部には作れないけど(音飛び)外れたところで作ろうみたいな形で妥協せざるを得なくなるわけですね、そうするとどういう事が起きてくるかというと、ミスマッチというものが発生してくるわけですね、作れるところに作らざるをえませんから。


例えばですね横浜市、待機児童で非常に悩まされている政令指定都市の一つです。東京を除いた全国の政令指定都市の中で最も待機児童がいるのが横浜市なんですけれども、昨年の数は1209人いたんですね。なるほど多いなと思われるんですが、よくよく調べてみると、実は横浜市の保育園の定員割れの総数は1503人ということで、待機児童よりも定員割れの数のほうが多いんですね。つまり、保育園が足りないということではなくて、需要と供給がマッチしていない。(音飛び)ミスマッチです。


さらにですね、認可保育園を作ろうと思ってですね、東京には商業ビルがあるじゃないか、そこには認可であり認証保育、作れるよねと言われるかもしれないんですが、これ私も経験があるんですが、用途変更というのはすごく難しいんですね、商業ビルにはいろうと思って、保育園で使いますというと用途変更を大家さんにしてもらわないといけないんですけれども、なかなかしてくれないんですね、すごく嫌がられるんです。


ですからこの業界にですね、認証保育園をだそうとするとどうするかっていったら、地面師という人に頼るんですね、地面師って人がいてですね、地面師が用途変更可能な物件をですね、探してきて、大家さんと交渉して、うんぬんかんぬんっていって、ようやく一件か二件でるかなんです。それもですね、ピンポイントで待機児童がいるような地区って言うのは無理なんで、ちょっと外れた所で手を打とうみたいなふうになったりするんですね。そういうわけでミスマッチを作りやすい構造というのがここにあるわけです。


またさらにですね、今はどんどん出さないといけないという風にいわれているんですが、よくよく考えてみると少子化なんですね、今は働く人増えてますけれども、これ必ず下がっていくのが見通せるわけですね。


そうしたら今出した保育園どうするんですか、という話になるわけですね。(音飛び)撤退コストのことも考えなければなりません。だけれども、保育園の用途として作られた施設を、じゃあ他に何か使えますか、といったらですね、なかなか使えないわけですね、ですのでそういった時にはやっぱり撤退のコストがかかってくるわけですね。それをちゃんとリホームしてうんぬんかんぬんとやっていくための撤退コストというものがかかってきまして、それが高いわけですね。


と、いうような様々な認可保育園の問題点がございます。ですので認可保育園だけで待機児童を埋めていこうよ、というのは、なかなか難しい、という風になってくるんですね。で、諸外国を私、研究してみました。諸外国はどうやってやっているのかなぁと。参考になるのは家庭的保育というようなものです。例えばイギリスではですね、チャイルドマインダーという方がいらっしゃいます。チャイルドマインダーという国家資格を取った、まぁ保育士さんみたいな(音飛び)いらっしゃいます。人の家、あるいは教会の空いてるスペース、そういったところで、一人や、二人三人という形で組んで、子どもをあずかるという様な仕組みをとっています。チャイルドマインダーは国内に75000人いらっしゃいまして、全英で活動をしています。で、子供の数で言うと22.5万人相当、非常に大きな数をチャイルドマインダーが吸収しているわけですね。


またさらにイギリスより凄いのはですね、フランスでございます。フランスはみなさんもご案内のとおり、出生率というのが2.0を回復しまして、ヨーロッパの中では、出生率を向上させた成功事例と言われていますけれども、彼らが取っている政策として中心的なものがこの認定保育ママです。アシスタントマタニエール(Assistante Maternelle)とかっていう、ちょっと僕はフランス語ができないので発音が滅茶苦茶ですけれども、そうした名前の制度がございます。こちらですね、フランスでは実は保育所、施設であずかる子供の数は13万人です。それに対して認定保育ママがあずかる子供の数はですね、50万人ということで四倍近いんですね、圧倒的に認定保育ママというものが利用されています。で、この認定保育ママの数がですね34万人おりまして、保育事業の七割が認定保育ママによって担われているという風に言われています。非常に家庭的保育というものが発達しているのがフランスです。


一方日本はどうかといいますと、こちらに書いてありますとおり、日本は2007年度の調査でいうと、保育ママの総数993人、ということで、桁違いに少ないということがわかるわけですね。非常に少ないということですね。


なんででしょう?ということになります。


日本でも実は保育ママという制度はございます。こういう制度になっています。自治体が地域のやる気のありそうなですね、子育て経験者や、あるいは保育士さんというのに頼んで、この方が1~3人の子どもをおあずかりするという制度をとっているんですが


(音飛び)


この子たちにとって保育園みたいなものなんですね、保育ママさんは。だけれども例えばこの保育ママがインフルエンザにかかって一週間休みたい、となった時に、親御さんからしたらどうでしょう?一週間も会社を休む、いやいやそんな勘弁して下さい、という風になりますよね。あるいはじゃあちょっと旦那さんと旅行に行きたいな、二泊三日で旅行に行きたい。


いやいやいやいや三日間も休めませんよ、というようなことになって、責任があり、なかなかサービスを止めることができない、というようなことで、非常に就業条件としては悪くなる。休めなくなるわけですから。


例えば私どもの社員でですね、橘田(きった、菊田?)さんという方がいらっしゃるんですが、彼女は世田谷区の保育ママを25年間務め上げてきたという生粋の保育ママの方なんですね、彼女は25年間一回も休んでないというですね、非常に気骨のあるんです。だからきったさんみたいな方しかできないというですね、ことになってしまうわけですね。非常にハードルが高いなぁということになってしまうわけですね。


じゃあどうしようと、いうようなところで、私どもが考えたのは、じゃあ新しい形を作ったらというところで作ったのが「おうち保育園」という事業です。


私どもは考えました、自治体から直接保育ママっていうのは現実的じゃないんじゃないか、なぜならば自治体にはマネージメントなんてできやしない。その人の環境を細かくマネージメントしていって話を聞いて、うんぬんかんぬんなんて、なかなかできないし、かつその人が例えばやめちゃったらサービス終了というような形だと、不安定になる。そうじゃなくてそこに事業者をかませて、事業者に対して委託する。で事業者が保育ママを複数人雇用して、一人が例えば休んでしまっても、あるいは辞めてしまっても。すぐに代替要員を出せるというような形にする方が(音飛び)安定すると思ったんですね。


ですから自治体から直接個人に委託ではなく事業者をかませて、事業者委託にしましょう、そして保育者は一人じゃなくて、複数人にしましょうねと、場所はその人の家じゃなくてもいいじゃないですかと、イギリスやフランスのようにマンションを借りて、あるいは空き家を使っていいじゃないですかと、中には送迎だって付けていいじゃないですか、いうような制度というものを考えてみたわけです。


じゃあ自分たちでやってみよう、ということでやってみることにしました。実際のおうちを借りて、地域の保育所と連携しておあずかりしようと、いうようなことをやってみたわけです。場所はどこかといいますと私の故郷江東区の中で最も待機児童数が多いと言われる豊洲エリアを選びました。名前はおうち保育園で、豊洲エリアの辺りで特に待機児童が多いと言われている東雲地区のUR都市機構の東雲キャナルコートというところの一室を借りて、こちらをミニ保育園化しようということでですね、はじめてみたわけです。


UR都市機構さんもですね、まぁなにか人様の役に立ちたいという思いがおありで、この空いている物件というものを貸して下さったわけです。こちら平日開いてまして、まぁ保育ママと同じ時間開けております。で、保育定員に関しては9名ということでやらせていただいてまして、子ども3人に対して保育者1という、非常に手厚い、保育園以上に手厚い人材配置をして、質は落とさず、しかしパシリティというものは普通のおうちというものを使うという様な形でやりはじめてみたわけです。


最初はなかなかこう、物件借りれなかったので、四月一日から仮に始めています。四月一日にスタートした際には実は物件というのはなかなか決まらないので、URさんがしょうがないっていって、集会所を改造しましょうっていって、集会所を保育園にして、慣らし保育をはじめました。それがこちらの図になりますけどこんな感じですね。集会所もですね、このマンション20個ありまして、二十個もいらない(音飛び)ということで改造しておうち保育園化しているということですね。


五月六日から、物件が決まりましてですね、五月六日からおうちに移って正式にスタートということで来週プレスリリースをしようというような、ほやほやの事業になっております。

でですね、かかったコストは公立認可保育園は職員さんがですね公務員なので、なかなかコストが高くてですね、想定コストとして〇歳児一人年間600万円コストがかかるんですけれども、それと比べても非常に安い、おうち保育園の場合は認証より安くて、保育ママより少し高い位の公費の補助額で成り立つよという仕組みなので、これから自治体財政が厳しくなっていく中で非常に有効なツールなんじゃないかなというふうに思います。


(音飛び、内容はおうち保育園を創設する社会的メリットについて)


まず一つは待機児童解消に役に立ちます。もちろん認可保育園みたいに100人みたいな定員ではないので、非常に枠数としては小さくなりますね、認可保育園が大型バスだとしたら、おうち保育園はある種のタクシーになります。


だけれども沢山それを走らせることによって多くの人を搬送できる、という様なモデルになるんですね。巨艦主義ではなくて、小さく消化していこうというような形になります。なので待機児童の解消につながっていきますし、またですね人口動態に合わせてですね、ピンポイントで出店できるところがポイントです。例えば世田谷区で待機児童が多い。23区いち多い。ですけれども世田谷区のどこに多いのということですね町名というものが決まるわけですね。じゃあそこにピンポイントで出せるかどうかというとですね、なかなか認可保育園だと土地がなかったりなんだかんだなりますけれども、でも世田谷区に空いているおうちというのはあるわけですね。マンションは必ずあるわけです。ですからそこにピンポイントで待機児童が集中している丁を狙い撃ちして出店するということが可能になってくるので待機児童の解消のやり方として非常に効率的であり効果的であるということになります。


で、さらにですね、質というものを落とさない。保育の質というものは何かといいますと、もちろん三歳四歳になると園庭が広いということはとても大切なんですけど、一歳とかになると、園庭とかいうのは本当は関係ないわけですね。どちらかというと密度の高い、保育者との一対一の関係性っていうのがどれだけ築けるか、またコミュニケーションの密度がどれだけ濃いか、抱きしめてあげられる数がどれだけ多いか、そういったことが保育の質に直結するわけです。その時に大切なのが人員配置ですよね。その人員配置というのを1:3を崩さないで行えるということがこちらのおうち保育園のメリットでございます。質は落とさない、むしろ高められるということがとても重要になってきます。(音飛び)初期投資は全然違いますね、家なので普通にぺたぺたですね折り紙をはっていけば基本的になるので、認可保育園の場合内装ということで少なくても500~1000万必ずかかる(音飛び)認可保育園というのは後ほどご説明しますが、非常に参入障壁が高くされているわけですね。ですのでフローレンスみたいな規模の会社、あるいはNPOがうかうか参入できないんですね。多くは社会福祉法人、あるいは大きな会社しか参入できない。しかも実績主義ですので一回保育園をやってないと参入できなくなるわけですね。そうするとさらに絞られていってしまうわけです。


で、そうではなくて割と小規模、おうち保育園は自分たちでやってみればわかりますが、小規模なのでマネージメントしやすい、運営しやすい。小さな団体でもですね、負荷なくできるということで、中小の事業者、あるいは中小のNPOでも、このおうち保育園というのは参入することができます。で、そうすることで地域の雇用というものが促進されていきますよね。実際におうち保育園で雇用している方は保育士さんや元幼稚園の先生あるいは元主婦の方、そうした方々の雇用の場というのができますので、非常に地域に密着した雇用というのができていくわけです。


で、またですね、空き家を保育園化させることができるので、ある種都市における空洞化というものを防ぐことができます。皆さんご存知かどうかわかりませんが、総務省の統計によると全国の住宅5759万戸の内、なんと13%も空き家なんですね。空き家というのは非常に多いんです。ですので、こうした所にですね、例えばこういった地域に密着した社会貢献型の事業が入っていくことによって地域のある種の空洞化やあるいは無縁化というものをある種食い止めていけるのではないか、というふうに思っている次第でございます。


その3へ