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情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

産経は切り取った、そして数十分後に全文を掲載した。しかし……

枝野官房長官の2011年4月13日午前の記者会見についてMSN産経ニュースが以下の記事を掲載した。


枝野氏、原子炉爆発でも「現在の避難区域でよい」
2011.4.13 13:08

 枝野幸男官房長官は13日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉の格納容器が爆発した場合について「万が一起こったとしても、現在の避難指示区域でよい。原子力安全・保安院、原子力安全委員会と相談して、指示を出している」と述べ、新たに避難区域を拡大しない考えを明らかにした。


【放射能漏れ】枝野氏、原子炉爆発でも「現在の避難区域でよい」 - MSN産経ニュース

これについては(現在の避難範囲は原子炉の収納容器が爆発した場合を想定したものであるため)現在の避難指示区域で良く、緊急時の避難指示拡大についても準備をしておくように指示をしているという話なのだが、産経の初期報道を読んでそのように受け取る人は多く無いのではないだろうか。
この記事ではそこまでは分からない。

にて、すでに産経の会見書き起こしを元に検証が行われているが、朝日新聞も会見書き起こしを出したのでクロスチェックをしてみよう
(細かい言い回しまでは再現していないが内容は外していない書き起こしだと僕は判断した)

に動画があり、該当部は13分前後なので、再生しながら読んでいただきたい。




――レベル7の件で、昨日の外国人プレスとの会見でも見込みの甘さが指摘された。外国政府も日本政府に不信感を持っているようだが、現時点で政府として最悪の事態は何を想定しているのか。


 前段の話については、(中略)


 その上で、最悪の事態は、いろいろな可能性があるという推測について、どの程度の確からしさがあれば、政府として推測として発表できるのかが絡む難しい問題だが、一例を申しあげると、原子炉格納容器が水素爆発を起こすというリスク、これは一定のリスクがある。そのリスクを下げるために、窒素を注入してこれをさらに小さくすることをオペレーションとして行っている。まさに格納容器が水素爆発を起こすことになって、格納容器そのものが全面的に破壊されれば、より大量の放射性物質が周辺に飛ぶことになるので、それを避けるためにこの間、相当なエネルギーを使って努力してきているところで、可能性を低下させるために窒素注入を行っている。

 いま起こっていない、でも起こったら大きな影響を起こしそうなことにそうやって対応してきているし、例えば避難区域についても、20キロ圏内の避難の指示を継続している、あるいは20キロ〜30キロの区域のかなりの大部分の地域についても、緊急時の避難のことについて、しっかりと準備をしている状況でいて下さいと指示しているのも、ものすごくリスクが下がっていると認識しているが、水素爆発が万が一起こった場合の指示だ。


 ――原子炉格納容器が水素爆発した場合、避難区域の設定の指示は出てないが、大丈夫か。


 万が一起きたとしても、現在の避難指示区域で良いということを保安院や安全委員会の専門家のみなさんと相談し、そういう指示を出している。


asahi.com(朝日新聞社):枝野官房長官の会見全文〈13日午前11時〉 - 政治

これが産経新聞の速報にかかると


枝野氏、原子炉爆発でも「現在の避難区域でよい」
2011.4.13 13:08

 枝野幸男官房長官は13日午前の記者会見で、東京電力福島第1原子力発電所の原子炉の格納容器が爆発した場合について「万が一起こったとしても、現在の避難指示区域でよい。原子力安全・保安院、原子力安全委員会と相談して、指示を出している」と述べ、新たに避難区域を拡大しない考えを明らかにした。


【放射能漏れ】枝野氏、原子炉爆発でも「現在の避難区域でよい」 - MSN産経ニュース

となる、いろいろ酷いなと感じる。
政府が緊急事態を想定しておらず、万が一のことが起きても対処しないと読めてしまう



そして、その速報が2chに投稿され、まとめブログに転載され、拡散される。
数十分後に全文を出しても、読む人は少なく、切り取られた情報のみが拡散した。
センセーショナルな抜き出しを他社より早く出すと、そこに反応した人達がどんどん拡散してアクセスが集中する。
このパターンは既に確立しており、そういう手法が成功してしまう。
一番センセーショナルな一文を抜き取るトリミング報道をすればアクセスが増え、そのアクセスが広告価値を高め、商業的成功へ近づく。
これ、どうすればいいんだろうね?

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