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情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

天孫降臨と教科書。


神武天皇が即位したとされる年は、紀元前660年である。現在が皇紀何年かを知るには、これに現在の西暦を足せばよい。日本史の教科書の巻末にあるアレコレや、資料集みたいなものを眺めていればそのあたりのことは載っているはずなんだがなあ。


今年は皇紀2671年で今上天皇は第125代ですよ | LUNATIC PROPHET

これに関してだが、僕の手元にある日本史の教科書を6冊を調べてみたところ、天武天皇の測位が年号付きで載っているものはゼロ冊であった。

資料集も何冊かあるが、歴代天皇一覧はあっても天孫降臨神話が紀元前660年という記述は見つからなかった。
日本で普通に教育を受けていても、神武天皇が即位した年を知る機会が一度もないという人は少なくないのではないかと考えられる。
この辺のことは、東京都江東区の公益財団法人教科書研究センターに行けばもっと詳しい調査ができるのだが、時間が取れなかったため中途半端になっている。


天孫降臨神話自体に触れている教科書はいくつか見つかった。
例えば

にはさすがに天孫降臨神話が取り上げられている。
p36 p63の二箇所に記述がある。
同時代資料が存在しないことをのべ、これが伝承であることを明らかにした上で、神話のあらすじを紹介し、2月11日の建国記念日は『日本書紀』に出てくる神武天皇が即位した日を太陽暦に直したものであるという補足がされている。
しかし、それが何年のことである、という記述はない。


ちなみに僕が知る限り天孫降臨神話について、年号付きで一番まとまっている教科書は以下のものである。

古代に著された二つの書物(『古事記』および『日本書紀』)の伝説によると、日本は神々が建国したといいます。神々の子らの一人、太陽の女神アマテラスは、国を治めるようにと孫のニニギノミコトを地上に遣わしました。そのひ孫の神武天皇が、西暦前六六〇年にヤマト(日本)の神格ある天皇の最初となりました。皇室の権威の象徴は、鏡と剣および宝玉で、すべての神々の贈り物といわれます。国の始めについてのこの神話は、一九四五年まで実話として日本のすべての学校で教えられ、戦前の日本の神聖な宿命と優越の考え方に寄与しました

引用元は日本国の教科書ではなく、フィリピンの教科書だ。
『History of Asian Nations』 という英語で書かれたハイスクール用の教科書で著者はグレゴリオ・F・ザイデさんとソニア・M・ザイデさん。
訳者は後藤直三さんとなっている。
フィリピンの歴史教科書から日本についての記述をまとめて翻訳した

という本に日本語訳が一部載っている。


ここでは、過去の日本において、この神話が史実として教えられていたことが指摘されている。