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情報の海の漂流者

web上をさまよいつつ気になったことをつぶやいています。

学力テストの点数を簡単に上げる方法、それは教育に競争原理を取り入れること。


1.教育に競争原理を取り入れ、生徒の統一試験の成績次第で教師の待遇や学校への予算配分を変化させる
2.統一試験を学校に監督させる

よくある政策ですが、これだけで生徒のテストの点数が上昇します。
競争原理を取り入れた時点で学校や教師はテストを「する側」から「される側」に変わるという認識が社会的に欠如しているため、現状の不正対策が不十分だからです。
生徒のテストの点数が教師や学校の利害に結びつく場合、そのテストで不正行為が増えれば増えるほど、学校側の評価が向上します。
カンニングが増えれば増えるほど学校側に短期的なメリットがあるわけです。
カンニングを目撃した教師が「この子がカンニングしてくれれば、平均点が上がって、俺クビにならないですむかも」と思ってしまうとしたら、不正を黙認するケースも出てきますし、酷い例では学校ぐるみで積極的に不正行為にする場合もあるわけです。


たとえば、アメリカで教育に競争原理を取り入れた「落ちこぼれゼロ法」では、こんな不正行為が報告されています。

(以下は、堤未果さんの『社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)』第二章 教育がビジネスになる、から要約したものです。)

  • 2010年2月、ジョージア州の公立小中学校1857校で行われた学力テストにおいて、約400校に不正の疑いがでた。共通点は間違いを消しゴミで消した跡に正しい答えが書かれていること。全て高得点であること。不正解から正解に書き直された回答があまりに多いこと
  • 2010年3月、ネバダ州の学校で、制限時間一時間のテストを数時間かけてやらせていた事例が発覚
  • 2010年5月、ボストンのロバートフーグ・アカデミーが生徒にテスト終了後も答案を訂正されていたことが内部告発で発覚
  • 2010年6月、テキサス州の小学校で、テスト問題を事前に開封して、同じ内容のガイドを事前に配っていた
  • カリフォルニア州の小学校で、テスト中に教師が生徒にジェスチャーで答を教えていた
  • マサチューセッツ州の中学校で、天井にプロジェクターで解答を映写していた
  • テキサス州において、小学校卒業時に上位にいた生徒が中学校に進学した直後に最下位近くまで転落する例が問題になり、調査したところ、同様のケースが公立約7700校のうち400校で見つかった。生徒たちはある日突然最下位から最上位に上がり、進学した途端に急落した。


つまり、競争原理導入により、学校や教師もテストされる側になったにも関わらず、その試験をされる側の人たちに監督させているため

1.事前にテストを開封して子供に問題を教える機会がある
2.テスト中にカンニングを黙認したり、積極的に解答を教える機会がある
3.テスト終了後に解答を書き換える機会がある

わけです
学校に試験を監督させていると、こどもの学力を向上させる以外の方法でテストの点数を上げる手段がいくらでもあるんですね。
この状態で子供のテストの点数と学校・教師の待遇をリンクさせてしまうと「子供の学力が以前と変わらなくても」「不正が増えた分だけ」「学力テストの点数が上がる」という現象が起きかねないわけです。
そうすることで得られるメリットが以前より増えるんですから。
これでは学力テストの結果が何の意味ももたなくなってしまいます。


そういうわけで、教育に競争原理を取り入れる場合には、学校もテストされている側になるという認識を持って、テストは第三者に監督させること必要不可欠だというのが僕の持論となっています。