2008年7月29日、祖母宅にて冷凍蒟蒻畑を食べた1歳9ヶ月(ソースによっては10ヶ月)の男児が、死亡した事故が起きた。男児に蒟蒻畑を与えたのは祖母。その後、遺族は蒟蒻畑の製造メーカー、マンナンライフを訴えた。
その事についてネット上で話題になっている。
この事件が話題になっているのを知ったのはマンナンライフ事件は事故なんかじゃない - 虚構組曲というエントリーで、読んだ直後は祖母が不注意で、訴訟を起こしたのは非常識で、遺族側が10割悪いという気分になった。
その後色々と調べたり人の意見を読んでいくにつれ、段々と中庸に偏ってきて、今では遺族側にも同情すべき点があるとか、マンナンライフ側にも不注意な点があったのかなぁという気もしている。割合でいうと3割位かな? 今はまだ自業自得派に近い立場だ。
本来ならば自業自得派の立場で色々と書くべきなのだろうが、遺族側の立場の意見はネットでは少ない。
遺族への同情点とかについてについて一人ディベート用メモを作っておくことにする。
蒟蒻畑 | マンナンライフの特定の商品名 |
---|---|
蒟蒻ゼリー | その手のゼリーの総称 |
冷凍ゼリー | ゼラチンを使った普通のゼリー |
使い分けているので注意。
冷凍ゼリーを1歳9ヶ月(ソースによっては10ヶ月)に与える事は非常識?
アイスクリームみたいな氷菓子類を1歳児に与える事自体は問題ではないようだ。食べ過ぎでお腹を壊したり、添加物が問題になる事はあっても、氷菓子自体が非常識ではないらしい。冷凍ゼリーも同様。夏場のお弁当の定番になっているようだ。
蒟蒻ゼリーは冷凍すると弾力が増し窒息の危険が高くなるという特徴がある
- 一般的なゼリーは冷凍するとシャーベット状になるし、体温で溶けるので比較的詰まりにくい。
- だが蒟蒻ゼリーは普通のゼリーとは違い、冷凍すると喉に詰まりやすくなる。
- 当時蒟蒻畑には冷凍に関する注意書きが無かった。*3
普通のゼリーは冷凍しても体温で溶けるから、そこまで危険ではないらしい。
蒟蒻ゼリーは冷凍すると変質して弾力が増す。そして窒息の危険性が高まる。
その点は知らないと冷凍ゼリーにする人が出てもしょうがない気がする。生ならダメだけど加工すればOKなんて食べ物では良くある話。*4
蒟蒻ゼリーは普通のゼリーと違って凍らせたら危ないのです、と明記してなかった点は企業側の落ち度と言っていいと思う。
少なくても責任無しとは言えないのではないだろうか?
あれ??親が悪い????何で?
親が悪いという意見があちこちで出ているけど、これは何でだろう?
今回、蒟蒻畑を与えたのは両親ではなく祖母だし、場所も自宅ではなく祖父母宅。監督責任とかそういうものだろうか?
追記 親が悪いのは訴訟を起こした事自体が悪い?
なるほど、死亡事故と切り離して考えるべきだったのか。
訴訟問題の方なのね。
蒟蒻畑が危ない事は子育てをするなら知っておくべき?
日常的に乳幼児と接する現役子育て中の人には最新の子育て知識が求められる。そりゃそうだ。だけど別居の祖母にそれを求めるのは酷じゃないだろうか。現役引退して何年も経っている人も多いし、知識も古いだろう。インターネット環境がある人ならささっと注意点をチェックできるけど、無い人だとその辺の確認は厳しい。
論理的には非難できるのだが、心情的、人間のリソースの限界を考えると、この点を押すのはちょっと酷かな?
ネット環境と調べ物をするだけの余暇がある僕がこの点を指摘するのはフェアじゃない気がする。
*1:夏場には保冷剤を兼ねてお弁当に冷凍ゼリーを入れるという人が多い。それっぽいキーワードで検索すれば色々と実例が出てくるが、個人的な育児日記が多いのでリンクは控える
*2:保育園のおやつにアイスクリームやチョコレートが出たことについての質問のページ。一歳児や二歳児のクラス含む。添加物等を気にする人はいるが、氷菓子を与える事自体を問題にしている人は殆どいない。保育士歴十年以上の親戚にも確認を取ったが、少量ならば別に問題ないとのこと。信憑性はともかく、幼児、乳児に冷たいものを与える事自体がヤバイという『常識』はないようだ。
*3:元は毎日新聞の記事(現在は読めない)そのキャッシュ→凍らせると詰まりやすくなるという注意表示をつけている商品もあるが、「蒟蒻畑」にはなかった。
*4: ……これはあまり説得力ないかな? 応用力が有り過ぎるのか想像力がなさ過ぎるとか言われたら、ゴモットモと答えるし、子供に出す前に子供が食べても大丈夫か判断しろ!と言われたら、それは不注意だねと言わざない。