下市町の公立中学校で車椅子の少女が入学拒否された事件についてのメモ
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ニュース
車いす少女の中学入学を拒否…奈良・下市町、財政難理由に
4月4日13時43分配信 読売新聞奈良県下市町の町立小学校を今春卒業した、下半身不随で車いす生活を送る少女(12)が、入学を望んだ町立中学校の設備が不十分として、同町教委から入学を拒否され、養護学校への入学を勧められていたことがわかった。
両親が4日、記者会見し、「小学校の友達と一緒に入学させてやりたい。普通学級の方が子供のリハビリにもいい」と訴えた。
地方公務員の父親(51)や町によると、少女は出生時の脳性まひで下半身や右腕などが不自由。自分で車いすを使って少しなら移動できるが、通っていた同町立阿知賀小では介助員2人が付き添い、特別担任の元で学校生活を送った。
中学入学手続きの前に、医師や教諭らでつくる町教委の諮問機関・就学指導委員会(10人)で審議。斜面に立つ町立下市中の校舎(4階建て)は階段が多く、施設のバリアフリー化は財政的に厳しいことから、下市中への就学は無理と判断、町教委は、3月27日に入学を断る連絡をした。
両親によると、少女は「なぜ行けないのかな」と話しているといい、8日の入学式までに入学が認められない場合は、訴訟も検討するという。東奈良男町長は「命の大切さを考えればこその判断で、理解してもらいたい」と話している。
東京都武蔵野市で障害者向けの学習塾「遠山真学塾」を開く小笠毅さん(68)によると、学校施設を理由に就学を拒む例は少なくないというが、「障害者の学ぶ権利と、学校側の監督責任にどう折り合いをつけるかの問題。一度通ってみて、本人や両親と話し合ってから、就学が可能かを判断してもいいのでは」と話している。
上のソースが消えているので読売新聞にもリンクを張っておく。
とりあえず、今は情報収集の段階。
- 5:36 PM 4/10/2009追記
調べた事を追記していったら随分と読みにくい状態になってきた。
後ほど改めてまとめを書く予定
前提
紫は養護学校、青は中学校、緑は小学校
- 問題の中学は高台にあり、段差や階段などが多い*1
- 中学校から数キロの距離に養護学校がある
- 学校のバリアフリー化工事は億単位の予算が必要
この辺りを車載カメラで録画しながらドライブしている動画があった。
街の雰囲気が分かると思う
http://www.nicovideo.jp/watch/sm4117878
http://www.nicovideo.jp/watch/sm5523841
メモ
対応が遅い
- 学校の大規模改修工事は学業に影響が出ない夏休みに行われる事が多い
- 中学一年の春に間に合わせる為には小学6年の夏休みに工事をする必要がある
- 小学6年の夏休みに工事が行われる為には、その年度の予算を獲得する必要がある
- 予算を獲得する為には前年度中にアクションを取る必要がある
つまり、就学指導委員会で審議というのは2年以上前の段階で行われてなければ間に合わないのだ。
両親やまわりの大人は、その時期までに、署名、募金、バザー等の運動をしていたのだろうか?
- 5:42 PM 4/10/2009追記
奈良新聞にて続報
去年(小6)の段階では動いていた模様
養護学校のカリキュラム
最新情報により、対象の養護学校が別の学校であった事が判明した為、削除。 朝日新聞にて自宅からバスで30分程度という記述があったためここの可能性が高かったのだが、直通のスクールバスがある場合、他の養護学校も30分圏内である可能性が出てきたため、この部分の信頼性が落ちた
最寄の養護学校は奈良県立大淀養護学校だ。
小中高一貫教育をしている。
ここの中等部のカリキュラムを見てみよう。
能力別に三段階に分かれているが、最高クラスでも、国語と数学が週に数単位程度。
英語、社会、理科の授業は無い
卒業生の進路状況に過去30年の卒業生の進路*2が書いてあるが、一位は「施設入所(児童施設措置延長を含む)」で大学進学者の項目は無い。
財源
「バリアフリー」「学校」「予算」等の単語で検索すると色々HITする。エレベーターや車椅子用トイレを含めた学校バリアフリー化工事は、5億円超の案件がいくつもでてくる。
一方、/下市町のホームページによると、平成16年度の普通建設事業費は5億円となっている。
自治体の年間建築費を全額、一人の少女の為に使うべきかどうかは議論があるところ
- 16:19 2009/04/06追記
バリアフリー化は当然されるべきで一人の為ではないとの指摘を受ける。
僕もその考えなので取り消し線を引く。
以上を踏まえた上でどう考えるか?
肉体的にハンデがある分、彼女は知的能力で勝負をする回数が常人より多くなる可能性が高い。
その彼女が自らの学力に相当する教育を受けれないとしたらそれは大変な問題だと思う。
解決する為には金と時間が必要だが、現実ではどちらも不足している。
厳しい話だ。
中学校の判断
現時点で受け入れ態勢が整ってないならば、入学拒否は仕方が無い。
少女の下半身不随のレベルによってはトイレの世話までしなければいけない可能性があるが、クラスメイトの善意にそこまで頼っていいものは疑問が残る。
- 5:16 PM 4/10/2009追記
コメントにて指摘を受ける
トイレ等は基本的に介助員がヘルプするとのこと。
しかし彼女が中学校で介助員のサポートを受けられるかが不明なので、この記述は残しておく。
友人の助けだけでどうにかしようという意見の問題点としては役に立つと思うし。
疑問点 介助員の身分、人に付くのか施設に付くのか?
(今の所ケースバイケースらしいけど)
- 9:23 PM 4/12/2009追記
TBSの報道番組の中でトイレは自力でいけるとの報道があったそうだ。
そのためトイレ関連の記述に削除ライン)
火事や地震でも起きたら大変危険でもある。
両親や自治体
こんな直前になって視察の段階だと言う事がおかしい。
ちゃんと数年前から対策をしていたのだろうか?
どちらかの動きが鈍かった可能性あり
- 1:02 2009/04/10追記
奈良新聞にて続報。去年から進めていた様子。
-
- 就学指導委員会は3回以上開かれている
- 生徒側は少なくとも去年(小6時)の段階でこちらへの進学の意思を伝えている
追記
- 匿名ダイアリーで元町民を名乗る人が日記を書いていた
http://anond.hatelabo.jp/20090406181645
- 下市町は活断層関係*3で耐震対策が必要だが、それも終了していない状態らしい。
- 7:38 AM 4/12/2009追記
下市町の平成21年3月01日の時点での学校耐震工事の進行度
pdfが見つかった。問題の中学は耐震工事も終了していない状態だと確定

↑第2次奈良県地震被害想定調査資料という活断層MAPとgoogleMAPを合成したもの。下市町は見事に断層の影響下。
下市町地震被害予想
死者 | 負傷者 | 半壊家屋 | 全壊家屋 | |
---|---|---|---|---|
被害 | 53 | 157 | 874 | 810 |
参考
http://www.pref.nara.jp/bosai/tokatsu/bosai1/higaisotei/html/4.html
http://www.nakayoshino.or.jp/jisinseries8.html
これは人口約8000、世帯数約2800の自治体の被害予測。
建物の損壊率が洒落になってない。
なんでも木造家屋や古い建築物が多いため、大きな被害が予想されるとの事。
これを受けて下市町は急ピッチで耐震対策中らしい。
本当に厳しい状態のようだ。
4/9/2009追記
設備は無いけどみんなの助け合いでどうにかすればいいじゃない?というアンの問題点。
- 阪神大震災の犠牲者の過半数はお年寄りや身体障害者等の災害弱者であった。
この辺を考えると本当に困った時に助け合いの精神を期待するのは不安になってくるけど、解決方法はあるのだろうか
この中学校は地域の避難所*4
ということは災害時にどうするんだろう……
別ソース(奈良新聞)
脳性まひ「中学入れて」-両親訴え/拒む下市町教委 (2009.4.5 奈良新聞)中学でも仲間と一緒に勉強したい―下市町立阿知賀小学校(同町阿知賀)を今春卒業した脳性まひの障害を持つ女児(12)の両親が4日会見し、町立下市中学校(同町下市)への入学を強く訴えた。町教委は「安全面が不安」として入学を拒んでいる。
両親は昨年から同中への進学希望を町教委に伝え、夏には見学も行っていた。町は有識者でつくる就学指導委員会を今年2月末まで2度開いて協議。委員会は階段が急なことなどから「養護学校(進学)が望ましい」と町教委に答申し、教委は両親に養護学校進学を勧めた。女児は小学校では特別担任1人と町雇用のパート介助員2人が付き添っていた。3月末に町教委と両親が再び話したが町の方針は変わらず、両親は今月1日に着いた養護学校入学通知の受け取りを拒否している…
社会 2009年4月5日
コメント欄で教えていただいた別ソース。
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