文化庁が推進している、日本の文化芸術に関するポータルサイト日本文化芸術オンラインが仮オープンした。
様々な文化や芸術を並べたポータルサイトでメニューが中々面白い。上から
- 映画
- マンガ・アニメーション
- ゲーム
- ポップス・ジャズ
- クラシック音楽
- 邦楽
- 現代演劇
- 古典演劇
- 舞踊
- 美術
- 写真
- 演芸
- 文学
- 生活文化・国民娯楽
- 地域の祭礼・民族芸術
となっているが、特に注目するべきは「マンガ・アニメーション」や「ゲーム」が一分野としてメニューに入っていることだ。
最近文化庁は、マンガ・ゲーム等も文化の一分野として然るべき保護を与える方向で動いているが、それが象徴されるようなメニューで大変興味深い。
国営マンガ喫茶じゃない!
最近、お台場に建設予定の「国立メディア芸術総合センター」について、これは「国立マンガ喫茶」であり、無駄遣いだという批判がある。アニメやマンガは麻生さんの趣味であり、職権乱用だ、という内容だが、それは恐らく的外れだ。
文部科学省や文化庁のウェブサイトを見ていると、麻生さんが総理になるずっと前から、アニメ・マンガの再評価が始まっている事がよく分かる。
恐らく文化庁は、ただ単に、アニメやマンガやゲームを芸術の一分野として認定しただけだ。
文化であるならば、当然保存活動が必要で、新しい分野のものを保存するならば新しい「箱」が必要で、それが国立メディア芸術総合センターなのではないだろうか?
別にマンガアニメだけ特別えこひいきしているわけではない。どの文化にもやっていることだ。
50年後、100年後の為に
江戸〰明治の日本人は庶民文化を軽視し、保存活動をあまりしなかった。
そのため、国内の素晴らしい資料が散逸し、今ではちょっとした企画展をする度に、海外の博物館から展示品を借りなければいけなくなっている*1。
浮世絵は現在、国際的に高い評価をえているが、当初はエロ本やその辺のイラストに過ぎなかった。
現時点ではありふれたくだらない物に見えても、将来的には貴重な資料になりえるのだ。
オマケ
「アニメの殿堂」は現場のアニメーターの救済に繋がるのか?という批判*2もあるようだが、アニメ業界の労働問題についても、議論はしているようだ。ただそれが厚生労働省でやっていたり、文部科学省でやっていたり、必要な統計資料が総務省にあったりと、情報が分断されていて、非常にわかりにくい。その辺調べていくと、日本の実務官僚は世間で言われているような馬鹿ではなく、実は非常に優秀な人たちなんだと実感できて面白い。
関連 サイト内検索を使うと有用な資料がある
■日本文化芸術オンライン
■文化庁
■文部科学省ホームページ←検索してみると色々頑張っている事がわかる
■厚生労働省