生活保護vsワーキングプア
生活保護VSワーキングプア (PHP新書)
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大山 典宏
PHP研究所
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生活に不安を感じている方に気軽に相談できる場所を提供するという生活保護110番の人が書いた本。
目次
- 若者に広がる貧困
- 意外な相談者の姿
- 彼氏と同棲しているが生活できない
- 自業自得、自己責任?
- 正社員としての再就職は難しい
- がんばりが足りなかったのか?
- 「彼」が助けなかったとしたら?
- 消費者金融に手を出したとしたら?
- 彼がいらだちを彼女に向けたら?
- 彼女が妊娠したら?
- 九八年に社会が変わった。
- 彼女がいらだちを子どもに向けたら?
- 問題の全てを包括する「怪物」の正体
- 彼女は生活保護を利用できるのか?
- 「生活保護=悪」のイメージ
- 勧善懲悪では割り切れない
- 燃え上がる街のシンボル
- 報道ができるまで
- 抗議文を送った北九州市
- 北九州市「自体届け」事件
- 「打ち切りは適切だった」
- すばやい動きを見せた市民団体
- 深刻な対立
- もうひとつの報道
- 不正受給額は計七十二億円
- 畠山鈴香被告と生活保護
- 生活保護ニートの連鎖
- 「水際作戦」と「受給者バッシング」
- つくられる悪のイメージ
- 元ケースワーカーが語る生活保護のしくみ
- 鳴り止まない電話。
- 生活保護の拒否六十六%が違法
- 申請前の面接相談
- どのくらいの金額が保証されるのか
- 補足性の原理
- 扶養義務と可働能力
- 親族にどこまで扶養を求めるか
- 働けるか判断が難しいケース
- 自宅を処分しろという指導
- 借金を理由に拒否
- 申請へのハードルは高くなるばかり
- 支援者の空洞化
- 水際作戦の正体
- 生活保護は増えているのか
- 利用者の世帯類型
- 水際作戦の正体
- 壊れる若者たち
- 生活保護の未来の姿
- 利用はわずか0.二%
- 適正実施のシナリオ
- 本当の被害者は誰なのか
- 子どもたちを排除するセーフティネット
- 若者が生活保護を受ける
- 「偏見」という眼鏡
- 「介護福祉士の資格を取って社会に貢献したい」
- きっかけは夫の逮捕
- 家族は助けてくれない
- 働けないなら出て行け!
- 発作的に就職したくなる
- 頑なさがもう少しほぐれていけば
- 「僕らの生活を知らせちゃいけないのか」
- ライター、IT企業家として
- 妻は何もかも受け入れようとした
- 夢の中で「ごめんね」と帰ってくる
- 額面20万円のサラリーマンと同じ
- 大事なのは両面作戦
- 「まだいけるかなと思っていました」
- 両親の失踪、義兄による性的虐待
- 一時保護所から自動養護施設へ
- 母との再会
- 大量服薬による自殺未遂
- 独り暮らしを始める
- 生活保護の申請へ
- 出会い系サイトで彼と知り合う
- 支援者はあきらめる事も必要
- 「これからは苦しんでいるお母さんたちを助けたい」
- どうして逃げなくちゃいけないのか
- 電話機が壊れるまで殴られた
- 息子に責められる日々
- 「あなた生活保護を受けなさい」
- 児童福祉司に叱られた
- 児童手当は夫のもの?
- 人生何度でもやり直しガできる
- プチ生活保護のススメ
- 生活保護の評価は可能か?
- 押し寄せる目標管理の波
- 最も重要なのは「使命」である
- 使命は困っている人を救うこと?
- より多くの利用者に、より高い質の自立を提供する
- たくさんの人を自立させる
- 放置したときのコストを計算する
- 予防という副次的効果
- ケースワーカーの意識が変わる
- 入りやすく、出やすい制度へ
- 新しい支援の芽
- 絵に描いた餅
- 希望のさいたま方式
- 誰でも気軽に相談できる場を
- 利用者の権利を守るために
- ほっと温まる居場所づくり
- 利用者の自立を目指して
- 精神障害者・ホームレスを地域に戻す
- 支援者が集まる「場」を作る
- 広がる取り組み
- 支援の芽を育てるために
特徴的なのは生活保護の光と闇両方に言及している事。
不正受給問題から、法の保護から零れ落ちるワーキングプアまで様々な対象を取り扱っている。
生活保護制度の実態について総合的な知識を得ることができる良書。
ネット上で生保関係の議論をする人は必読。
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