世間一般に信じられている噂の中に「専業主婦は贅沢」というのがある。
貧乏人は共働きで必死に働かないと食べていけない、専業主婦は経済的に余裕がある中流階級以上のみに許される「贅沢」という趣旨のものだ。
はたして本当だろうか?
この件について面白い資料が見つかったのでグラフ化してみた。
収入階級別妻の有職率
通説とは逆に、所得が高い世帯ほど共働き率が高いという結果になった。
金持ちの妻の方が専業主婦が少ないのだ。なぜだろうか?
この理由について馬場さんは以下のような仮説を立てている(要約)
- 労働市場において企業サイドが高学歴・フルタイムを優先して雇用している結果、低所得層の妻は働く場を制限されている
- 保育園が不足している。運良く保育園に入れたとしても妻が働いた分の大半が保育料に消えていく(働いても生活が楽にならない)
子供を預ける場所がなければ働くことができない。
子供を預けると金がかかるが、給料が安いと働いた分がごっそり保育料に消えるので働く意味が薄い。
卵が先か鶏が先か
ここで問題なのは、収入が低いから妻が(これは夫がでも構わないが)働けないのか、妻が働けないから収入が低いのかという点だ。
労働者が一人増えればその分だけ収入は増える。
夫婦のどちらかが働けない世帯は、給料が同クラスの共働き世帯よりも総収入が減るはずだ。
これは、金持ちほど共働きだというよりも、「何らかの理由」により共働きが不可能な家庭は収入が低い場合が多いという話かもしれない。
そしてその「何らかの理由」というのが主に子育てであるのが少子化の一因になっている可能性は高い。
(大抵の社会では子供がいる世帯が一番生活が苦しい。)